── 時を、聴く、器 ──
「暦」は、自然の声を人が聴き取り、今ここに在る自己を知るための器である。
新字「暦」は、上に「厂 + 林」、下に「日」。
「林」は、木が並び立つ姿。「日」は、太陽。 太陽が、林の上を、順序立てて動いてゆくさま ── これが、「暦」のもとの姿です。
旧字「曆」では、上の「厤」の中身が 禾(穀物)でした。 農耕民族にとって、暦は 穀物を植え、収穫するための智慧 そのもの。 太陽が動き、穀物が育ち、収穫の時が来る ── この順序を記したものが、暦です。
古代中国・周代において、暦は 天子の専権 でした。 天子だけが、新しい暦を発行できる。
日本の朝廷も、伝統的に暦法を司ってきました。 陰陽寮 (おんようりょう) という組織が、毎年、暦を編み、宮中に奉る。 暦を読むことは、神を聴くことに、ほぼ等しい行為 だったのです。
なぜ暦は神聖だったのか。 それは、暦が 自然のリズムを、人間が引き受けるための器 だったからです。 太陽の動き、月の満ち欠け、二十四節気 ── これら自然の声を、文字に書き留めて、共有する。
Konton の根本は、暦です。 四柱推命の「四柱」── 年柱・月柱・日柱・時柱 ── は、生まれた瞬間の干支。 干支とは、暦そのものです。
Konton 暦コラム (/koyomi) は、その智慧を、五日ごとに、少しずつ、ひとつずつ、お届けします。
暦は、時間を支配する道具ではありません。 時間と共に在るための、耳 です。
今日が何の日であるか ── それを知ることは、過去でも未来でもなく、 今、確かにここに在る自分 を知ること。 Konton は、その小さな知の積み重ねを、長く続ける場所です。